要約: 2026年6月1日、韓国政府は「6月施行政策パッケージ」を一斉に公表した。法制処は6月施行81件の新法令の要点をまとめ、国民保護と産業支援を同時に進める姿勢を示した。同時刻に、調達庁は公共調達のAI製品参入基準を3点同時に緩和し、個人情報保護委員会はマイデータをエネルギー分野へ拡張した。本稿では3つの発表の数値と仕組み、そして市民・企業への実質的影響を検討する。
1. 法制処 — 6月施行81法令と4つの主軸
法制処(処長:チョ・ウォンチョル)は6月1日、6月に施行される法令が合計81件であると公表した。国民生活と産業に直接影響を与える4つの軸は以下の通り。
- 自律走行車の映像データ活用拡大(6月18日施行、自律走行自動車商用化促進及び支援に関する法律): 自動車管理法第27条による臨時運行許可を受けた者が試験・研究目的で自律走行車を運行する場合、特定個人情報を含む映像を撮影・収集でき、匿名化や仮名化を行わずに利用可能となる。同時に、目的外利用の禁止、技術的・管理的保護措置、5年経過後の破棄義務が課され、法施行前に収集された映像にも遡及して破棄義務が適用される。
- 海外直購入の安全性調査(6月3日施行、製品安全基本法): 政府が海外直接購入(海外直購入)製品の危害性を直接調査できる。個別法令の要件を満たさない場合、または消費者の生命・身体・財産に危害を及ぼすおそれがある場合、中央行政機関の長は関税庁長に対し当該製品の返送・廃棄・改善措置を要請でき、海外通信販売仲介業者にもサイバーモール内製品情報の削除勧告とその事実の公表が可能となる。
- 特定強力犯罪被害者への国選弁護人(6月24日施行、特定強力犯罪の処罰に関する特例法): 殺人・人身売買・強姦・強盗など特定強力犯罪の被害者に国選弁護人支援が可能となる。19歳未満の被害者や、身体的・精神的障害により意思決定能力が不十分な被害者には、検事が義務的に国選弁護人を選任する。
- 災害対応へのドローン活用根拠(6月3日施行、ドローン活用の促進及び基盤造成に関する法律): 大規模山火事など災害の予防・対備・対応・復旧の全プロセスにドローンを活用できるよう、中央・地方政府の努力義務と財政支援の根拠を整備した。
原典: 大韓民国政府報道資料 — 法制処「6月施行法令」(2026.6.1)。
2. 調達庁 — 公共調達競争拡大とAI製品の参入緩和
調達庁(長官:ペク・スンボ)は同日、「物品多数供給者契約業務処理規定」と「物品多数供給者契約特殊条件」の2行政規則を改正したと発表した。柱は2つ:① 公共調達市場の競争性強化、② AI製品の公共調達市場への参入緩和。
- 2段階競争の拡大: 多数供給者契約の2段階競争基準金額(一般物品5,000万ウォン、中堅企業競争物品1億ウォン)未満であっても、需要機関が望めば2段階競争を実施できる。
- 原産地管理の強化: 原産地が「大韓民国」の物品は、「国内生産品原産地証明書」の提出が義務付けられる。
- 前払金返還請求事由の新設: 前払金を受け取った調達企業が、前払金保証や保険期間満了までに契約履行を終えられない場合、前払金を返還しなければならない。
- 「公共調達管理士」資格に加点: 国家技術資格である「公共調達管理士」取得企業に、多数供給者契約の履行能力評価で加点を付与。
- AI製品の参入基準を3点同時緩和: ①実績(3,000万ウォン以上)を削除、②業者数(3社以上→2社以上)、③規格(標準規格→業者提示規格)。さらに信用評価等級確認書の提出も免除。
施行はシステム整備を考慮して2027年1月1日。ただしAI製品参入緩和は人工知能基本法施行令の改正に合わせ2026年8月1日に先行施行される。ペク長官は「公共調達市場が企業の成長を牽引し、国家政策を効率的に支える戦略的空間となるよう、規制革新と制度合理化を続ける」と述べた。
原典: 大韓民国政府報道資料 — 調達庁「公共調達経済性強化・AI製品参入緩和」(2026.6.1)。
3. マイデータのエネルギー分野施行 — ガス・電気使用情報の移転要求権
個人情報保護委員会(委員長:ソン・キョンヒ)はマイデータ(個人情報移転要求権)制度のエネルギー分野施行を6月1日付で本格化した。2025年3月13日の医療・通信分野に続く2分野目の拡大であり、政府はマイデータ優先導入の10大重点分野(医療・通信・エネルギー・教育・雇用・文化余暇・福祉・交通・不動産・流通)を段階的に開いていく。
- 情報送信者: 都市ガス事業者、韓国電力公社など。
- 移転対象情報: ガス・電気使用量、料金情報、エネルギー使用量。
- 関連告示: 「ガス分野個人情報移転に関する告示」(個人情報委・産業部共同告示)、「電気分野個人情報移転に関する告示」(個人情報委・気候部共同告示)が6月1日に発令された。
- 派生サービス: 個別化されたエネルギー節減サービス、料金最適化サービス、カーボンニュートラル実践支援サービスが想定される。
- 代替信用評価: NICE評価情報がエネルギー納付実績を基盤とした代替信用評価サービスを年末ローンチ目標で推進中。
- 仲介機関: 韓国エネルギー公団(予定)。移転インフラ構築後、対象事業者と情報項目が段階的に拡大される。
ソン委員長は「エネルギー分野マイデータの施行は、国民が自らのデータを直接管理・活用する個人情報主権を一層強化する契機になる。国民が日常でマイデータの効用を実感できるよう、さらに分野を広げていく」と述べた。
原典: 大韓民国政府報道資料 — マイデータ「エネルギー分野」施行(2026.6.1)。
4. 国際的文脈と意味
3つの発表は世界的な政策議論の交点にある。第一に、自律走行映像データ。EUのAutomated Vehicles Regulationや米カリフォルニア州のAV規制は識別可能映像のAI学習利用に厳しいが、韓国は「分野限定の特例+5年強制破棄」という折衷を選んだ。第二に、海外直購入の安全性。EUのGPSR(2024年12月施行)、米CPSCの議論と同じ問題に対し、韓国は中央行政機関に返送・廃棄・改善要請権と公表権を与えた。第三に、データ移転権。EUのData Actが2025年9月から段階適用される一方、韓国は分野別の段階展開(医療・通信2025年→エネルギー2026年6月→8分野)を取る。横断規制ではなく分野別レイヤーを順次積む点が特徴である。
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RSS原典リンク — 法制処: https://www.korea.kr/briefing/pressReleaseView.do?newsId=156764632&call_from=rsslink · 調達庁: https://www.korea.kr/briefing/pressReleaseView.do?newsId=156764635&call_from=rsslink · 個人情報保護委員会: https://www.korea.kr/briefing/pressReleaseView.do?newsId=156764611&call_from=rsslink。