[2026-05-30] 韓国 猛暑警報の18年ぶり改編・特許1か月超高速審査・自営業者の電気料金選択権 — 政権1周年の新政策3本

2026年5月30日、ソウル。李在明(イ・ジェミョン)政権発足1周年と同じ週に、韓国の気象庁、知的財産処、気候エネルギー環境部がそれぞれ新政策を打ち出しました。3つを並べて読むと、「予測の精度を上げ、特別警報の階段を1段増やし、知的財産処理を高速化し、電気料金は自営業者が申請しなくても安い方が自動適用される」という同じ設計思想が見えてきます。

1.猛暑特別警報体系を18年ぶりに全面改編

気象庁は5月28日の記者会見で、これまでの「猛暑注意報」「猛暑警報」に加え、新たに上位段階となる「猛暑重大警報」(폭염중대경보)を設けたと発表しました。さらに、夜間も気温が下がりにくい都市熱島に対応するため「熱帯夜注意報」(열대야주의보)も新設しました。猛暑特別警報の体系改編は18年ぶりです。地方自治体や事業場が屋外作業中止や脆弱層保護策を発動するための上位トリガーが、これまでより明確になります。

陸上8種類の気象特別警報(豪雨・大雪・台風・強風・乾燥・寒波・猛暑・暴風高潮)の対象区域も183から235に細分化され、こちらは22年ぶりの再区画です。雨量100mm/h級の災害性豪雨に対する緊急災害メッセージは5月15日から本格運用が始まり、地震メッセージの基準も予想震度Ⅱ以上からⅢ以上へ調整し、初動5~10秒だった発信を3~5秒に短縮しました。

気候予測情報はIPCC第6次評価報告書(AR6)ベースで51種から73種に拡張され、農林・エネルギー分野が利用しやすい気候変化状況地図として提供されています。気象干ばつ情報は市・郡単位から邑・面・洞単位に細分化され、SPI3とフラッシュ干ばつ情報を追加して統合提供しています。基盤側では、英国UMとの併用を6年経て韓国型数値予報モデル(KIM、解像度8km)の単独運用が先月始まり、AIレーダー予測の解像度も8kmから1kmに高精度化、政府部処では4番目に多いGPU 208枚を確保しました。チョルリアン衛星5号は基本設計を昨年12月に完了しています。李美善(イ・ミソン)気象庁長は「気候危機の時代に先制的に対応する気象気候強国を目指す」と表明しました。

2.特許「1か月以内」の超高速審査 — AIスタートアップが17日で登録

同じ28日、知的財産処(金容善・キム・ヨンソン処長)は「世界最速の審査サービス」として、登録まで1か月以内の超高速特許審査トラックを発表しました。2025年10月に先端技術分野の輸出企業向けに先行投入し、2026年2月にはAI・バイオのスタートアップにも対象を拡大しました。実例として、韓国の主要二次電池企業は19日で、投資ラウンド対応のAIスタートアップは17日で特許登録に到達しました。通常1年前後かかる審査と比べ、資金調達日程に直接効く速度差です。

技術保護では、技術警察がこの1年で334件の刑事捜査を実施。二次電池技術流出事件1件だけで10兆ウォン超の被害を防いだと推計されています。産業スパイ通報への報奨金制度を新設し、2026年6月には組織・人員を拡大します。偽造品モニタリング対象国はAIを活用して8か国から115か国へ拡大、オンラインで48万件の偽造販売を遮断しました。「Kブランド」政府認証は70余の主要輸出国に国家認証商標を登録し、2026年8月に本格運用します。IP金融は2025年に12.4兆ウォン(前年比+14.8%)、IP投資ファンドは5.6兆ウォン規模まで拡張、「みんなのアイデア」プロジェクトは過去最高の2万7千件の応募を集め、100件が後続事業に進みました。

3.6月1日から自営業者向け電気料金選択権 — 申請不要で安い方を自動適用

気候エネルギー環境部と韓国電力(KEPCO)は6月1日から11月まで、自営業者向け電気料金選択権を拡大運用します。対象は一般用(乙)、一般用(B)、産業用(乙)、教育用(B)で、既存の時間帯別料金に加えて一般用(甲)水準の単一料金制を選択肢として追加します。最大の特徴は、利用者側で申請手続を踏まなくても、KEPCOが毎月2つの料金体系を比較して安い方を自動で適用する点です。2026年12月以降は事業者が能動的に料金体系を選べるようになります。

政府は2026年、自営業者のエネルギー効率化に70億ウォン超を計上。KEPCOは追加経正予算でLED交換・設備効率化の支援単価を倍増し、支援数量も拡大します。夜間営業比率が高い飲食・小売は時間帯別料金が、長時間負荷分散が難しい店舗は単一料金がそれぞれ有利になり得るため、業種別に最適化が自動で進むと予想されます。問い合わせは気候エネルギー環境部(044-203-3913)、韓国電力(061-345-7621)です。

3政策に共通する設計

3つに通底するのは「現場が申請しなくても、制度側が自動的に発動する仕組み」です。猛暑重大警報は階段を1段増やすことで現場対応の起動を早めます。1か月特許審査は輸出関連イノベーションの速度を制度として固定します。KEPCOの選択権は安い方を月次で自動適用します。発足1周年の見出し政策が一過性で終わらないために、運用に組み込まれた「自動性」が共通テーマになっています。

出典

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