[2026-05-29] 韓国国民年金、国内株式の比重を20.8%に引上げ・中小ベンチャー部1186億・食品医薬品安全処119兆:5月28-29日の資本・中小ベンチャー・食品政策パッケージ

【2026-05-29 ソウル】 韓国政府発足から1周年を迎えた2026年5月28日から29日にかけて、韓国経済政策の3つの柱が同時に発表された。国民年金基金運用委員会は5月28日、ソウル政府庁舎で2026年度第5回会議を開き、2026年の国内株式目標比重を14.9%から20.8%に5.9%ポイント引き上げることを決定した。同日、中小ベンチャー企業部は麻浦区のSVCソウルで韓星淑(ハン・ソンスク)長官による政府発足1周年記者懇談会を開き、中小企業輸出1186億ドル(前年比過去最高)、第1四半期ベンチャーファンド組成額4兆4000億ウォン(過去最高)という記録的成果を発表した。続く29日、食品医薬品安全処は2025年の食品産業生産実績が119兆ウォン、前年比4.3%増であると公表した。資本市場・中小ベンチャー・食品産業という3つの軸で、発足1周年の経済成果が一斉に可視化された形だ。

1. 国民年金、国内株式の目標比重を20.8%に引上げ

世界第3位の年金基金で運用資産が約1,200兆ウォンに達する国民年金基金運用委員会は、5月28日のソウル政府庁舎別館での第5回会議で、2026年の国内株式目標比重を14.9%から20.8%へ5.9%ポイント引き上げることを承認した。新しい目標比重は、リバランス一時猶予が終了する6月末から適用される。委員会の議長は鄭銀敬(チョン・ウンギョン)保健福祉部長官が務めた。

同時に承認された2027~2031年中期資産配分計画では、2031年末時点で資産構成を株式55%前後・債券30%前後・代替投資15%前後とする目標が示された。2027年の具体的な比重は、国内株式20.8%、海外株式35.6%、国内債券21.8%、海外債券7.4%、代替投資14.3%となった。海外投資と代替投資を拡大する従来路線を維持しつつ、商法改正など国内株式市場の構造的変化を反映した形だ。

市場への影響を抑えるため、委員会は1日あたりの最大リバランス規模を縮小し、SAA(戦略的資産配分)の許容範囲を一時的に拡大する措置も決めた。具体的な許容範囲は市場安定性への配慮から非公表とされた。委員会は2026年末に許容範囲を再点検する方針だ。鄭長官は「国民の老後資金を守るため、長期収益性と安定性を高めつつ市場への影響を緩和することが目的」だと強調した。

2. 中小ベンチャー企業部「保護から成長へ」:輸出1186億ドル、ベンチャーファンド4.4兆

韓星淑長官は5月28日、麻浦SVCソウルで開かれた政府発足1周年記者懇談会で、過去1年間の主要成果として以下を提示した。

  • 中小企業輸出1,186億ドル(前年比過去最高)。2026年第1四半期も過去最高を更新し、2年連続の最高記録。
  • 第1四半期ベンチャーファンド組成額4兆4,000億ウォン(過去最高)、投資額3兆3,000億ウォン(過去2番目)。
  • 長官の現場訪問152回 → 23件の対策と78件の法・制度改善を実施。
  • 地域商圏支援「相生ペイバック」に1,564万人の市民が参加。
  • 「みんなの創業プロジェクト」に6万3,000人以上が応募 — 政府公募事業として史上最大規模。
  • 全国19カ所のスタートアップ・ワンストップ支援センターが5カ月で1万件の相談を突破。
  • 再挑戦ファンド:今後5年間で1兆ウォン規模を造成予定。

韓長官は過去1年の最大の成果として「政策パラダイムの『保護』から『成長』への明示的な転換」を強調した。中小企業830万社のデータ分析を基盤としたデータ駆動型行政の本格導入、技術奪取根絶のための韓国型証拠開示制度、納品代金連動制の拡大などは現場ニーズが政策に反映された具体例だ。米国の相互関税ショックや中東情勢という外部圧力の中でも、K-ビューティーとオンライン輸出が史上最高を更新し続けたことが輸出記録更新を後押しした。

非首都圏支援目標制と優遇・差別支援制を導入し、首都圏との格差是正を明示。4大科学技術院がある大田・大邱・光州・蔚山を2026年上半期に地域拠点創業都市として優先指定し、2027年までに6都市を追加する計画だ。R&D-創業-投資-販路の全周期を集中支援する構図である。

3. 食品産業生産実績119兆ウォン(前年比4.3%増)

食品医薬品安全処は5月29日、2025年の食品産業生産実績が119兆ウォン、前年比4.3%増であると公式発表した。これは韓国の名目GDP(約2,400兆ウォン)の約5%に相当する規模だ。半導体や自動車のような単一巨大産業には及ばないものの、日常消費に直結する内需産業が4%台の成長を維持したことの意義は大きい。同日、2025年医薬品品目更新状況と原料豚脂を食用豚脂と誤認させるオンライン不当広告7件の摘発も同時発表された。

4.3%の成長はK-フード輸出と国内プレミアムHMR(家庭代替食)需要が支えた。即席麺・冷凍韓国料理・K-スナックなどの輸出が史上最高を更新し続けた。ただし成長の一部には原材料価格上昇が反映されており、実質成長率はこれよりも低い可能性がある。食品安全への信頼が輸出競争力に直結する構図が、K-ビューティーやK-コンテンツと同様にK-フード市場でも機能している。

4. 3つの発表が示す方向性

3つの発表は、資本市場の安定化・中小ベンチャーの成長エンジン点火・内需産業の信頼回復という3重シグナルを同時に発した。国民年金の国内株式比重引上げはKOSPIの安定板強化、中小ベンチャー部の1186億ドル輸出は輸出多角化の成果、食品産業の119兆ウォンは内需・消費産業の自生力回復を示す。発足1周年メッセージは「保護から成長へ」という一語に集約される。

5. 今後6カ月のチェックポイント

  • 6月末: 国民年金SAAリバランス正常化開始 — KOSPI大型株への需給影響を点検。
  • 第3四半期: 中小ベンチャー企業部「中小企業成長プラットフォーム」の本格稼働。
  • 下半期: 大田・大邱・光州・蔚山の地域拠点創業都市の初成果が出る時期。
  • 2026年末: 国民年金SAA許容範囲の再点検、市場安定性評価。
  • 2027年: 中小ベンチャー企業部の「再挑戦ファンド」(5年1兆ウォン規模)本格始動。

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参考資料

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