[2026-09-11] 韓国、SMR特別法施行 — 2035年商用化目標は実現可能か

韓国の小型モジュール炉(SMR)特別法および施行令が2026年9月11日に施行された。(出典: https://www.korea.kr/news/policyNewsView.do?newsId=148971747, 2026-09-11) 科学技術情報通信部(MSIT)は同日、この法律の施行により2035年のSMR商用化計画が本格化したと発表した。(出典: https://www.korea.kr/news/policyNewsView.do?newsId=148971747, 2026-09-11) SMR特別法は2026年3月に制定され、研究・開発・実証を体系的に促進し、研究開発の成果を実際の事業化・産業化につなげるための政府全体の支援体制を整備することを目的としている。(出典: https://www.korea.kr/news/policyNewsView.do?newsId=148971747, 2026-09-11)

2027년 원안위 예산 중 SMR 관련 배정액
2027년 원자력안전위원회 예산 3030억 원 중 SMR 관련 세부 배정 (출처: climatepol.com, 2026-09-01)

2035年ロードマップと規制予算

政府目標は二段構えで、軽水型SMRは2035年までに商用化、非軽水型SMRは2030年代に建設着手するというものだ。(出典: https://www.korea.kr/news/policyNewsView.do?newsId=148971747, 2026-09-11) MSITは今後5年ごとにSMRシステム開発基本計画を策定し、年度別実施計画で進捗を点検する法的枠組みを新設した。(出典: https://www.korea.kr/news/policyNewsView.do?newsId=148971747, 2026-09-11)

原子力安全委員会(NSSC)が国会に提出した2027年予算案には、この目標を裏付ける具体的な予算配分が示されている。NSSCの2027年予算案は総額3030億ウォンで、2026年比104億ウォン増となっている。(出典: https://www.climatepol.com/news/articleView.html?idxno=28589, 2026-09-01) このうち、2030年代初めの許認可取得を目指す非軽水型SMRの新たな評価体系構築研究開発に80億ウォン、事業者が2027年初めに申請予定の非軽水型SMR炉型の事前検討着手費用として27億ウォンが別途計上された。(出典: https://www.climatepol.com/news/articleView.html?idxno=28589, 2026-09-01) NSSCはこれとは別に、政府が開発中の革新型SMR(i-SMR)の設計・建設・運用・廃炉の全周期にわたる安全性検証技術開発に123億ウォンを計上した。(出典: https://www.climatepol.com/news/articleView.html?idxno=28589, 2026-09-01) 正式な許認可申請前に規制機関へ設計審査を事前に申請できる事前検討制度は、2026年11月に施行される予定だ。(出典: https://www.climatepol.com/news/articleView.html?idxno=28589, 2026-09-01)

米国も並行して動く — 陸軍のヤヌス計画

SMR開発を加速させているのは韓国だけではない。2026年8月27日、米陸軍はマイクロ原子炉開発に22億ドルの資金拠出を承認し、5社の開発企業を選定して各社が米陸軍基地にマイクロ原子炉を設置することとした。(出典: https://www.fool.com/investing/2026/09/01/the-u-s-army-will-spend-usd2-2-billion-on-micro-nuclear-reactors-these-2-stocks-should-benefit/, 2026-08-27) この資金は2025年10月に開始された「ヤヌス計画」の一環で、2025年5月に署名された大統領令14299号に基づき、遅くとも2028年9月30日までに米陸軍が規制する原子炉を国内軍事施設で稼働させることを目標としている。(出典: https://www.fool.com/investing/2026/09/01/the-u-s-army-will-spend-usd2-2-billion-on-micro-nuclear-reactors-these-2-stocks-should-benefit/, 2026-08-27)

両国は同じ産業分野で異なる道を歩んでいる。米国は軍需要を初期の商業的足がかりとして活用する戦略を取っており、米投資メディアThe Motley Foolが引用した米陸軍関係者の発言によれば、「短時間の実証のためだけに稼働する原子炉ではなく、数年間高い稼働率で電力を供給できるシステム」を求めているとされ、軍事展開を民間市場への足がかりと明確に位置づけている。(出典: https://www.fool.com/investing/2026/09/01/the-u-s-army-will-spend-usd2-2-billion-on-micro-nuclear-reactors-these-2-stocks-should-benefit/, 2026-08-27) 一方、韓国のSMR特別法はまず法制度と支援体制を整備するアプローチを取っており、民間企業と公共機関が共同出資する初期段階のSMR事業会社を支援する条項が盛り込まれている。(出典: https://www.korea.kr/news/policyNewsView.do?newsId=148971747, 2026-09-11) どちらのアプローチが商用化を早く実現するかは、両国の規制環境や政治的優先順位が大きく異なるため、現時点では判断が難しい。

日本にとっての意味

日本も独自にSMR開発を進めている中、韓国のSMR特別法施行は、韓国が法制度を先行整備する一方で米国が軍需要を先行させるという、異なる商用化アプローチが同時期に進む事例として注視すべき動きだ。(出典: https://www.korea.kr/news/policyNewsView.do?newsId=148971747, 2026-09-11、https://www.fool.com/investing/2026/09/01/the-u-s-army-will-spend-usd2-2-billion-on-micro-nuclear-reactors-these-2-stocks-should-benefit/, 2026-08-27) ただし、今回の発表時点で韓国側の特別目的会社(SPC)条項は韓国国内の民間企業と公共機関の共同出資を想定したものであり、外国企業向けの参入条項は明示されていないため、日本企業が具体的にどのような形で関与できるかは、今後の後続計画を待つ必要がある。(出典: https://www.korea.kr/news/policyNewsView.do?newsId=148971747, 2026-09-11)

産業への影響

韓国の原子力機器メーカーや大学・研究機関は、特別法により民間企業と公共機関が共同出資する特別目的会社の設立根拠を得たことで、事業参加の法的基盤がより明確になった。(出典: https://www.korea.kr/news/policyNewsView.do?newsId=148971747, 2026-09-11) ただし、非軽水型SMRの事前検討費用が27億ウォンにとどまっている点から見ると、これは依然として初期段階の試験的投資であり、大規模な商業投資段階には至っていない。(出典: https://www.climatepol.com/news/articleView.html?idxno=28589, 2026-09-01) 業界関係者の間では、規制のサンドボックス制度が実際の大型プロジェクトにつながるまでには、さらに数年分の許認可・実証データの蓄積が必要になるとの見方が一般的だ。

消費者への影響

一般市民にとって最も直接的な変化は、SMRの安全性や社会的受容性についての情報提供・広報・展示会・討論会などを実施するための法的根拠が新設されたことだ。(出典: https://www.korea.kr/news/policyNewsView.do?newsId=148971747, 2026-09-11) 将来的にSMR研究開発特区に指定される可能性のある地域の住民にとっては、この情報公開・コミュニケーション活動が最も直接的な影響を持つことになるが、政府はまだ具体的な候補地域を公表していない。

出典: 政策ブリーフィング, 2026-09-11 · 参考: 原子力安全委員会2027年予算案, 米陸軍ヤヌス計画資金拠出, 2026-08-27

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